はじめに:新たな年度のスタートと覚悟
新たな年度が始まりました。
このタイミングは、会社としての方向性を改めて見直す重要な節目です。
「今年どう戦うか」「どこに向かうか」「何を捨てて何を残すか」
経営者として、最も頭を使う時期でもあります。
そんな中で、ここ数年、そして特に直近で強く感じていることがあります。
人材の流れが完全に変わった。
清掃業界に限らず、労務提供型のビジネス全体において、
「どこで働くか」の判断基準が大きく変わっています。
人材が「仕事内容」ではなく「会社の安定性」を見て選ぶ時代になった。
これは、経営者としてかなり重い現実です。
① 現実:財務が弱い会社は確実に淘汰される
労務型ビジネスはシンプルです。
- 人が働くことで価値を生む
- 人件費が最大コスト
- キャッシュフローに依存する
つまり、
資金繰りが崩れた瞬間に終わるビジネスモデルです。
コロナショックの時、それがはっきりと可視化されました。
会社の体力=現場の安定
資金に余裕があった会社は、人を守れた。
余裕がなかった会社は、一気に崩れた。
この差は、経営努力では埋められないレベルで出ます。
② 気づき:利益の使い方を間違えると会社は弱くなる
これまでの私は、利益の使い方についてこう考えていました。
- 節税する
- 設備投資する
- 経費をうまく使う
間違いではありません。
ただ、足りなかった。
内部留保こそが、人への最大の投資になる。
これは今回のDXや経営の見直しの中で、はっきりと確信に変わりました。
資金を残すことで、
- 安定した昇給ができる
- 雇用を守れる
- 挑戦ができる
つまり、利益は使うものではなく、“守るものでもある”。
そしてそれが、最終的に人に返っていく。
③ 戦略:財務が人的資本を決める
なぜ財務が強い会社に人が集まるのか。
理由は2つです。
安心とスピード。
資金繰りが安定している会社は、
- 昇給が止まらない
- キャリアアップが早い
- 新しいポジションが生まれる
つまり、
人生のスピードが上がる。
逆に、財務が不安定な会社はどうなるか。
- 昇給が止まる
- 挑戦できない
- 我慢が増える
これでは、人は残りません。
特にこれからの時代は、
中小企業は「夢」ではなく「安心」で選ばれる。
④ 中小企業が勝つための条件
「大企業には勝てない」
そんなことはありません。
中小企業の強みは、
- スピード
- 裁量
- 成長機会
ただし、その前提条件があります。
会社が潰れないこと。
ここが欠けた瞬間、すべてが崩れます。
だからこそ、中小企業ほど、財務を強くしなければならない。
⑤ 未来:IT・AI時代は“スピード格差”の時代
これからの時代は明確です。
スピードがすべてを決める。
出世、昇給、事業拡大。
すべてがスピード勝負になります。
そして、そのスピードを支えるのが、安定資本(財務)です。
資金がある会社だけが、
- 即決できる
- 投資できる
- 失敗できる
つまり、財務がある会社だけが、未来を取りに行ける。
まとめ:人的資本経営の“スタートライン”
不安定な時代だからこそ、財務の安定化が人的資本経営の第一歩になる。
人を大切にする。
成長させる。
働きやすくする。
全部大事です。
でも、その前に必要なのは、
会社が倒れないこと。
そして、
安定して給料が上がること。
これがなければ、すべて机上の空論です。
建美はどうするのか
新年度、建美は明確に動きます。
- 利益を残す
- 財務を強くする
- 人に還元する
これを徹底します。
“強い会社”を作ることが、“人にとって一番優しい会社”になる。
これが、私の経営の答えです。
参考資料(出典)

建築竣工美装、清掃、警備、廃棄物収集運搬、環境サービスを手がける株式会社建美の代表取締役。入社後約10年間、現場の第一線で品質管理・工程管理・安全管理を経験し、2020年に二代目として代表就任。建築物環境衛生管理技術者、ビルクリーニング技能士、警備員指導教育責任者など、建物管理・清掃・警備・安全衛生に関する資格・講習修了歴を多数保有。現場力とテクノロジーを融合し、安定した品質提供と働きやすい会社づくりを推進している。

